配偶者控除②
二次相続(配偶者の死亡時)に注意
配偶者控除には、もう一つ大きな落とし穴があります。
それは、二次相続(配偶者の死亡時)では、同じ控除が使えないという点です。
たとえば、一次相続で全財産を配偶者が相続すると、相続税はかかりません。
しかし、その後配偶者が亡くなり、同じ財産を子どもたちが相続するとなると、今度は配偶者控除が使えず、一気に課税される可能性が高まるのです。
つまり、一次相続で「相続税がゼロだった」と安心してすべてを配偶者に譲ってしまうと、後で子どもたちが高額な税金を負担することになる可能性があります。
分け方
相続税を最も有利にするには、「一次相続」と「二次相続」の両方を見据えた設計が重要です。
たとえば、一次相続の時点で配偶者と子どもたちである程度バランスよく財産を分けることで、将来の税負担を平均化できるケースもあります。
また、現金や不動産など、相続する財産の種類によっても最適な分け方は異なるため、「遺産の内容」「相続人の人数」「居住の有無」などを総合的に判断する必要があります。
まとめ
配偶者控除は、相続税を大幅に減らす非常に強力な制度です。
しかし、「税金がかからないから大丈夫」と安易に判断すると、将来の二次相続で思わぬ負担が発生するリスクもあるのです。
大切なのは、「今だけ」ではなく「家族の未来」も見据えて、バランスよく相続を設計すること。
相続税の知識とあわせて、家族構成や想いに寄り添った分割方法を一緒に考えていくことが、トラブルを防ぎ、家族の安心を守る第一歩になります。